NOTE - no.ACIOLA

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ベートーベン先生の「月光 第一楽章」について20数年の疑問が解決した話

 こんばんは!!!!!! マルエッタです。

 今回は偉大なるベートーベン先生の「月光」第一楽章の話をします!!!! 名曲ですよね!!!!

 ご存知の方もいるかと思いますが、私は趣味でピアノを弾いたりしています。
 基本的にバイエルレベルくらいのゲーム音楽しか弾かない私ですが、ピアノを習っている同級生がクラシック音楽を弾いているのを見て「私もなにか一曲くらい弾いてみようかな?(弾けたらカッコいいし)」と考えたことがあり、月光の第一楽章だけ弾くようになりました。

 (小学校2年生くらいの時に「私でも弾けるクラシックある?」と、昔ピアノを習っていたが今はからっきしの母親に聞いたら差し出されたのがそれだったので……)(なお、後に「本当に弾けるようになるとは思わなかった」と言われました。酷い)

 運指自体は(指が届きさえすれば)簡単なんですが、強弱の付け方が本当に難しいというか「ワシには無理や」って感じなのでわりとゆるく弾いています。っていうか強弱が簡単なクラシックってむしろレアでは……。

 でも……それでも…………楽譜を見ていて「これこう書いてあるけどマジでこうなの??? おかしくない????」ってずっとずっとずーーーーっと思っていたけど特に調べもしなかった事柄がやっと解決したので書きます。

速度記号の話

 月光の第一楽章の速度表記の「♩=60」は早すぎるんとちゃうか問題です。

 弾き始めた当初は速度記号の存在を知らなければプロの演奏を聴いたこともなく「このくらいの速度やろ!(♩=40)」……と超低速に弾いていたので、学校で速度記号について習ってからメトロノームで計ってあまりの早さにビビりました。ぜったいちゃう!! 月光はこんな早くない!!!!

 なんでかって、ゆっくり弾けば重く深く沈んだピアノの音が映えるのに早く弾いちゃうと台無しじゃないか!!! って思っていたからなんですが。
 最近やっと重い腰を上げてググったらなんか凄く納得しました。2点くらい勘違いしてたんだなーと思ったので書きます! 全部オレオレ解釈なので合ってる保証はなにもないです

1. 月光作曲当時のピアノについて

 なんかそもそもなんですが、当時のピアノって今のピアノほど音が伸びなかったそうなんですね。
 なのでゆっくり弾くとただのトロい印象の曲になってしまうのかなと思いました。

2. 曲の解釈について

 「っていうか一回くらいちゃんとプロの演奏、聴いとくか……」と思って最近やっと聴きました。今更ですか?

youtu.be

 わ……わかったぞ!!!!!

 このメロディのメイン、三連符ちゃう!!!! 小指で弾く高音の長い音の方や!!!!!!!!(発見)

 あと、私はずっと「分厚い雲の狭間に浮かぶ夜空の月」のイメージで弾いてたんですけど、どっちかというと「湖面のさざなみに揺れる月」なのかな………? と思いました。

 ………まあ「月光」というタイトルはベートーベン自身が付けたものではないらしいので、「月」に関連するイメージは本当にただの勝手な我々の想像なんですけど……。

 とにもかくにも、完全な個人的解釈ですが速度についての長年の疑問がスッキリ解決しました。「昔のピアノは音が今ほど伸びなかった」という話ともなんとなく噛み合うような………気が………………。

終盤の強弱記号の話

 「これどういうことやねん」と思ってた強弱記号の疑問が解決しました。

 全音楽譜出版社により推定40年ほど前に出版された、ベートーベンの月光の楽譜です。
 黒塗りだらけですが第一楽章の最後を抜粋しています。さっそく読んでみましょう。

 ほうほう~~……「A」は前の小節の続きでだんだん弱く(デクレシェンド)なるように弾くんやな。
 そして「B」は……。

 なんやこれは……どういうことや……。

 一回普通の音量に戻してデクレシェンドで弾くべきなんか?
 それとも「A」からの継続のデクレシェンドの意味で弾くべきなんか……?

 そして「C」もデクレシェンドや……。どういうことや……さすがに「A」から「C」までずっとデクレシェンドは変や。なんなら「C」の後にもデクレシェンドが続いとる……音が消えてまうわ

(※補足: 数小節にわたるクレシェンド/デクレジェンドは普通にあり得るんですが、音の運び的に違和感を覚えました)

 じゃあやはり「B」と「C」は冒頭で一回普通の強さに戻すか、強めで弾くべきなんか?
 別にそれは……アリっちゃアリエッティや。しかし……なんか変や! これは……なんか変や!!!!! ワシの解釈と一致せん!!!(それは知らん)

 ………と、ずっとそう思ってたんですが。

 今日、本屋で最新の全音楽譜出版社の「月光」の楽譜を確認したらこんな風になってました。

 ご覧ください。

 お………おい!!!!!!

 変わっとるやないかい!!!!!!!!!!!!!

 これは流石に分かりますよ。「A」で弱くなった音を「B」でだんだん大きくして、「C」でだんだん小さくすればええんや。

 個人的な解釈とも完全一致や。

 なんかクラシックって曲の研究が進んだり、或いはその時代のピアノの具合に合わせて(?)記号が付け加えられたりするらしいんですよね。
 ちなみにベートーベン先生の直筆原本だと、この部分はそもそも強弱記号自体がないらしいです。

 でもこれに関しては全音楽譜さん……ただのミスでは……とちょっと思っています。ひょっとするとわりと貴重な版なのかも……しれませんね……。

――――

 思わずエセ関西弁みたいなん使ってしもてほんまにスマン。混乱するとエセ関西弁が……使いとうなるんや……。
 色々書いたけど趣味で弾いてるだけなので、今後も自分の弾きたいようにゆるく楽しくいっぱいミスしながら楽しんでいこうと思います!!!

 そんなわけで、「訳が分からないよ!!!!」と思っていた疑問が解決した話でした!!!!

 ……………まあ、私にとって本当に訳が分からないのは第三楽章なんですけどね……(大量の音符の強襲を眺めながら)
youtu.be